「ソニー生命とかんぽ生命の学資保険、どっちがいいの?」
このような疑問をお持ちではないでしょうか?
ソニー生命の学資保険は、その高すぎる返戻率で近年大人気の商品です。
一方、かんぽ生命の「はじめのかんぽ」は郵便局の学資保険という安心感で、昔から安定した人気があります。
どちらもプラン自体はとてもよく似ています。
大きく異なるのは、返戻率と保障の充実度です。
本記事では、ソニー生命とかんぽ生命学資保険の特徴やメリット・デメリットを見たあと、両商品を様々な面で比較して、おすすめの人を解説していきます。
本記事を読むことで、あなたにぴったりの学資保険が判明するでしょう。
それではさっそく見ていきます!
ソニー生命の学資保険はどんな商品?
ソニー生命の学資保険は、学資金受取時期が違う3つのプランがあります。
どのプランも返戻率は100%を超え、特にⅢ型は返戻率107~108%とトップクラスです。
そのため、多くの方が毎年の大学費用に備えられるⅢ型を選んでいます。
でも、学資保険は返戻率だけで良し悪しは決まりませんよね。
あくまでも返戻率は1つの要素で、学資金受取時期や毎月の保険料など総合的に考えなければいけません。
そういった意味で、ソニー生命の学資保険はとても優れています。
3つのプランが用意されており、家計に合ったオーダーメイドの商品設計できるのです。
ソニー生命の3つのプラン内容は次の通りです。
【Ⅰ型】
・保険料満期:17歳もしくは18歳、20歳もしくは22歳
・3プランの中で返戻率が一番低い
・子どもの契約可能年齢が低い
Ⅰ型は、大学入学年度の費用に加えて、中学と高校入学前にも学資金を受け取れるタイプです。
満期は17・18歳と20・22歳の2種類が用意されています。
このプランは、中学から私立進学を考えているような方におすすめです。
公立だと中学入学初年度にかかる費用は少ないですが、私立はまとまった額が必要となります。
学資金受け取り開始時期が早くなるため、そのぶん返戻率は低くなります。
Ⅰ型は3プランの中で最も返戻率が低く、特に20歳もしくは22歳満期は返戻率が100%をわずかに超えるくらいにしかなりません。
正直なところ、ソニー生命学資保険の魅力が発揮された商品とは言い難いです。
ただ、中学と高校入学費用に備える他の商品の多くは元本割れを起こす、と考えると悪くはない商品だと思います。
私立中学の可能性がありつつ、その費用を学資保険で備えたい方は、Ⅰ型を検討するといいいでしょう。
学資金受け取り時期が早いこともあり、子どもの契約可能年齢が低めです。
Ⅰ型を考えている方は、早めに加入するようにしましょう。
【Ⅱ型】
・保険期間:17歳もしくは18歳、20歳もしくは22歳
・3プランの中で返戻率は2番目に高い
大学入学年度にかかる費用に重点的に備えたい方におすすめのプランです。
満期が17歳もしくは18歳なら、学資金が支払われるのは17歳もしくは18歳時。
一方、満期を20歳もしくは22歳にすると、学資金は大学入学年度に加えて20歳・22歳時にも支払われるのです。
入学費用だけではなく、就活や社会人準備、留学などに備えたい方は満期を20歳・22歳にするといいでしょう。
3プランの中で返戻率は2番目に高いです。
契約内容によっては、返戻率104%も超えます。
類似プランの商品を比較した時、ここまで返戻率が高くなるのは、なかなか見つけられません。
【Ⅲ型】
・ソニー生命学資保険で一番人気
・4年間の大学生活に備える
・返戻率が一番高い!
Ⅲ型は、17歳もしくは18歳から毎年1回の計4回と満期金を受け取れるプランです。
毎年かかる大学授業料などに備えたい方におすすめ。
入学年度こそ一番費用がかかりますが、その後も毎年60万円以上の授業料がかかるので、学資保険で備えておくのは賢い方法です。
また、Ⅲ型が大人気の理由は高すぎる貯蓄性にあります。
Ⅲ型の学資金受け取り開始時期は17歳もしくは18歳から。
つまり、保険会社はあなたの保険料を長く運用できるため、返戻率が高くなるのです。
分かりやすく比較すると、Ⅰ型は学資金受け取り開始時期が12歳からと早いですよね。
Ⅰ型だとソニー生命は12年間しか保険料の運用が行えない一方、Ⅲ型だと17もしくは18年間も運用できるのです。
保険会社に、より多くの保険料を、より長い期間運用させることで、返戻率は高くなります。
Ⅲ型の平均返戻率は107~108%と非常に高く、単純計算で約20万円も得するのです。
何よりも貯蓄性を重視する方は、Ⅲ型をじっくりと検討してみてください。
かんぽ生命の学資保険はどんな商品?
かんぽ生命の学資保険は、おなじみの「はじめのかんぽ」です。
20~30代の方の多くの親は、はじめのかんぽで教育資金を準備したはずでしょう。
以前は返戻率100%を超える商品でしたが、現在は残念ながら元本割れほぼ確実の商品に。
それでも高い人気を誇っている理由の1つに、ニーズに応えられる3つのプランの存在があるでしょう。
ここからは、はじめのかんぽ3つのプランについて解説します。
【大学入学時の学資金準備コース】
その名の通り、大学入学時にかかる費用に備えるコースです。
満期は17歳もしくは18歳のみなので、学資金を受け取るのは大学入学前の1回だけ。
その分の学資金は大きな額になるため、入学費用や一人暮らしの準備金などに活用できるでしょう。
【大学入学+小・中・高の入学金に備える】
大学入学時に加えて、小・中・高入学前の12月にも学資金が支払われるプランです。
受取学資金額は次の通りになります。
・小学校:基準額資金額の5%
・中学校:基準額資金額の10%
・高校:基準額資金額の15%
・大学:基準額資金額の100%
小学校と中学校の学資金を抑えて、高校と大学の支払額を高くしており、合理的なプランだと思います。
ただ、このプランもまた学資金支払い開始時期が早いため、子どもの契約可能年齢が狭く、返戻率も3プランの中で一番低いです。
念のため、学資保険で小・中・高の入学金にも備えたい方は、検討するといいでしょう。
【大学入学時と在学中の学資金準備コース】
ソニー生命Ⅲ型と同様に、大学入学時と在学中の費用に備えるコースです。
毎年支払われる学資金額は、基準額資金の75%で計4回支払われます。
ソニー生命Ⅲ型が5回だったのに対し、かんぽ生命では受取回数が1回少なくなっていますね。
その代わりに、毎年受け取る額の割合は多くなっています。
ソニー生命の学資保険5つのメリットと3つのデメリット
各ランキングで首位に輝くソニー生命の学資保険。
その人気の秘密は、高い貯蓄性だけではありません。
確実に大学入学前に学資金を受け取れたり、豊富な選択肢からオーダメイドプランを作れたりと、様々なメリットがあるのです。
しかし、完璧な学資保険がないように、ソニー生命学資保険にもまた3つほどデメリットがあります。
ここからは、ソニー生命学資保険のメリット・デメリットを見ていきましょう。
ここに注目1:高すぎる貯蓄性!
ソニー生命学資保険では、どのプランに加入しても返戻率100%超えています。
実はマイナス金利の影響で、貯蓄型の学資保険でありながらも、元本割れを起こす商品がたくさん出ているのです。
特に、ソニー生命Ⅰ型やⅡ型のように、大学入学年(+中+高)に備えるタイプの学資保険で、貯蓄性があるものは少なくなっています。
そんな状況の中でも、各プランが確実に100%を超えるソニー生命は、ひときわ大きな輝きを放っているのです。
注目はやっぱりⅢ型ですよね。
Ⅲ型の約107~108%の返戻率は、数ある学資保険の中でもナンバーワン。
明治安田生命やフコク生命などの学資保険も貯蓄性が高いですが、それでも返戻率は104~105%止まり。
明治安田生命は一括払いすることで、109%にもなります。
でも、それはあまり現実的な手段ではありませんよね。
ソニー生命Ⅲ型なら、普通に加入するだけで、高い返戻率を実現できるのです。
では、金額にするとどれくらい得するのでしょうか?
契約者30歳男性・被保険者0歳の子どもが、受取総額200万円で、保険料払い込み期間10年の年払いでⅢ型に加入したとします。
すると、返戻率は約108%になるのです。
具体的にみると、受取総額200万円なのに対し、払い込み総額は1,850,800円なので、約20万円も得したことになりますね。
この貯蓄性の高さは魅力的ですよね。
元本割れを起こす商品に加入すると、逆に20万円以上多く支払うことになりますよ。
ソニー生命学資保険の高い貯蓄性は、他の商品と大きな差をつけています。
プランも豊富なので、貯蓄性を重視する方は、一度は要検討すべき商品です。
ここに注目2:早生まれでも大学進学前に学資金を受け取れる
「学資金を受け取ったのが大学入学後だった!」、信じられないかもしれませんが、こんな失敗は少なくありません。
多くの方は、学資金を受け取るのは所定の年齢を迎えた誕生日だと思い込んでいます。
例えば、10月19日生まれの子どもなら、18歳の誕生日に学資金を貰えるという風に。
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しかし、ほとんどの学資保険は契約日を学資金支払いの基準にしているのです。
つまり、10月19日生まれの子どもが3月21日に加入したとすると、学資金を受け取れるのは18歳の誕生日を迎えた後の3月21日となります。
学資金受け取り基準が契約日だと、10月以降に生まれた子どもは不利です。
学資金を推薦やAO入試に使えなければ、早生まれの子どもは入学費用納付期限に間に合わない可能性さえあります。
この悲劇を防ぐため、ソニー生命学資保険は17歳満期を用意しているのです。
17歳満期なら、早生まれの子どもでも100%大学入学前に学資金を受け取れますよね。
目安としては、10月以降に生まれた子どもは17歳満期がおすすめです。
そうすることで、早めに入学金納付が必要となる推薦入試やAO入試に対応できれば、大学入試費用に学資金を使えるようになります。
ここに注目3:家庭に合ったオーダーメイドの保険プランを作れる
必要な学資金額と受取時期は各家庭によって異なります。
また、家庭の収入状況などによって、毎月支払える保険料も変わるでしょう。
つまり、学資保険のベストプランは家庭によって違うのです。
どんなに返戻率が高くとも、受取時期や金額などが希望を満たせなければ加入するべきではありません。
ソニー生命学資保険は、プランや保険料払い込みの選択肢が豊富です。
まず希望する学資金受取時期からプランを決めましょう。
そしたら、次に決めるべきことは、受取総額や払い込み期間などです。
ソニー生命学資保険では、受取学資金総額を50万円から2,600万円まで細かに決められます。
そのため、医学部進学や留学費用準備など、どんなニーズにも応えられるはず。
学資金受取時期と総額が決まれば、保険料について考えなければいけません。
ソニー生命の保険料支払い期間は、プランによって異なりますが、最短10歳から最長22歳まで豊富に用意されています。
早めに保険料の支払いを終わらせたい方も、毎月の保険料負担を軽くしたい方にもばっちり対応可能!
どのようなニーズにも応えられる柔軟な設計力は魅力的です。
ここに注目4:保険のプロと無料で家計診断から保険相談できる
ソニー生命の商品に加入する前は、必ずライフプランナーと呼ばれる保険や金融知識に精通した担当と面談を行わなければいけません。
あまり知られてはいませんが、学資保険の内容を決める際、ライフプランや世帯年収、ローン、家計事情なども考慮する必要があるのです。
特にローンと家計状況は重要。
学資保険の保険料払い込み期間は短くとも10年以上となります。
その間に、中途解約しなくてもいいように、契約時に余裕を持った保険料設定が必須なのです。
自分たちだけで最適プランを決めるのは難しいため、ライフプランナーとの面談が用意されているというわけですね。
ライフプランナーは、保険だけではなく、金融やローン、税金、家計などにも精通しているプロフェッショナルです。
あなたの家計状況やライフプランなどを把握して、希望にそえられるようにプラン作りのお手伝いをしてくれます。
私も複数回ライフプランナーと面談しましたが、人柄も良くてレベルも高いと感じました。
無料で質の高いプランナーに相談できるのは、とても大きな魅力でしょう。
ここがイマイチ1:契約までに何度かライフプランナーとの面談が必須
先ほどライフプランナーとの面談は魅力的、と紹介しましたが、それがデメリットになることもあります。
ソニー生命では紙の資料を用意していません。
資料を貰う代わりにあるのが、ライフプランナーとの面談なのです。
つまり、加入前はもちろん、少し興味があって紙の資料を見ながらじっくり検討したい方も、ライフプランナーと会う必要があります。
時間がない方は約30分ほどで面談を終了することも可能です。
しかし、紙の資料を送ってもらえず、契約まで複数回の面談があるのは、デメリットに感じる方もいるでしょう。
ここがイマイチ2:契約可能年齢が狭い
ソニー生命学資保険に加入したいと思う方は多いはずです。
しかし、契約可能年齢が狭いため、契約できる人が限られてくるのが残念。
契約可能年齢はプランによって異なりますが、最大で3歳までしか加入できません。
特にⅠ型は学資金受取時期が早いため、子どもの契約可能年齢は0~1歳と極めて狭いです。
加入を後回しにすると、返戻率が下がるだけではなく、希望プランに加入できなくなるかもしれません。
ソニー生命学資保険には、出生予定日の140日前から加入できます。
出産後は色々とバタバタするので、妊娠中に余裕を持って加入しておくのがおすすめです。
ここがイマイチ3:大学入学年の受取額資金が少なくなるかも
一番人気のⅢ型ですが、1つだけ知っておくべきデメリットがあります。
それが大学入学年の受取額が十分でない可能性があること。
Ⅲ型では、受取総額の40%が毎年1回計5回支払われるのです。
例えば、受取学資金総額200万円なら毎年40万円受け取れます。
しかし、40万円では大学入学年にかかる莫大な費用の大部分はカバーできません。
学資金の他、預貯金などでも本格的に教育資金の貯蓄が必要となるでしょう。
受取総額を高くすることで、毎年の学資金額も上がりますが、毎月の保険料負担もまた重くなるのです。
このことをよく踏まえて、Ⅲ型を選ぶのかどうか検討し、選ぶのなら受取総額を設定しましょう。
かんぽ生命学資保険に加入する5つのメリットと1つのデメリット
元本割れを起こすという大きなデメリットを抱えるはじめのかんぽですが、メリットは5つと多いです。
特に郵便局ならではの安心感があるのは、かんぽ生命の学資保険だけ!
また、返戻率以外に大きなデメリットがないのも魅力的ですね。
ここからは、はじめのかんぽ学資保険のメリットとデメリットを解説していきます。
ここに注目1:安心感は学資保険ナンバーワン!
保険商品は信頼度に注目して選ぶ人が多いです。
やはり一度加入すると長い付き合いになるので、信頼できる保険会社を選びたいのが正直なところではないでしょうか。
信頼感や安心感で言えば、かんぽ生命は断トツでトップだと思います。
かんぽ生命は日本郵政グループが運営する保険会社です。
日本郵政グループは元国営だったこともあり、今でも多くの方が安心感を抱えています。
2016年にはかんぽ生命生誕100周年を迎え、加入者数は業界トップクラス。
また、総資産額は73兆円と世界最大の保険会社となっています。
そのため、将来的に倒産する確率も極めて低いです。
保険会社が倒産しても、学資保険の契約は継続されます。
しかし、受取総額が減るなどの減額措置がとられてしまうのです。
今は倒産しそうになくとも、15年後は分かりません。
倒産リスクの面でも、かんぽ生命の安全性は極めて高いでしょう。
お金を預ける安心感や倒産リスクの低さは大きなメリットです。
ここに注目2:小学校高学年になっても加入できる
ソニー保険とは異なり、かんぽ生命学資保険は契約可能年齢が幅広いです。
なんと子どもの契約可能年齢は最長12歳!
小・中・高にも備えるプランは、学資金受取時期が早いため、契約可能年齢は0~3歳です。
しかし、残りの2プランの契約可能年齢は、0~12歳と非常に長くなっています。
学資保険に入り損ねた方や乗り換えを検討している方なども加入できるでしょう。
また、契約者の最大加入年齢も65歳となっています。
両親だけではなく、祖父母が契約者になることも可能です。
ここに注目3:インフレ対応できる配当金
かんぽ生命学資保険では、運用成績が予想よりも良かったら、契約者に配当金が支払われるのです。
学資保険の弱点の1つにインフレ対応できないことが挙げられます。
インフレとは、物の価値が上がりお金の価値が下がること。
簡単な例で言うと、1個100円のパンの値段が、1個120円になることですね。
学資保険の利率は契約時のもので固定されるため、インフレが起きると資金不足のリスクが高まります。
例えば、将来的に200万円の学資金で十分と想定して、学資保険に加入したとしましょう。
学資金を受け取る18年後にインフレが発生していた場合、物価が上がり200万円では不足するのです。
つまり、200万円受け取るものの、その価値は180万円や170万円にしかならず、20~30万円不足するということ。
普通の学資保険ではインフレ対応できませんが、配当金がある商品はある程度の対応が可能です。
金利が上昇した時、保険会社は期待以上のお金を増やせるので、契約者にも余分な利益が発生します。
配当金額にもよりますが、インフレで大きく損する可能性は少なくなるのです。
ここに注目4:ニーズに合わせて選べる特約内容
かんぽ生命学資保険は、豊富な種類の特約を用意しています。
付帯することで毎月の保険料は値上がりしますが、医療保障などに備えたい方には大きな魅力。
以下が特約の種類と内容です。
・無配当災害特約
不慮の事故が原因のケガによる死亡や身体障害に備えます。
・無配当障害医療特約
不慮の事故が原因のケガによる入院や手術、放射線治療に備えます。
・無配当総合医療特約
病気や不慮の事故が原因のケガによる入院や手術、放射線治療に備えられます。
・無配当先進医療特約
先進医療でかかる費用に備えられます。
4つの特約の中で人気なのが、無配当総合医療特約です。
無配当総合医療特約を付帯しておけば、病気やケガでの入院・手術・放射線治療に備えることができます。
料金は日額入院給付金とプランなどで異なりますが、基本的に1,000円前後です。
学資保険で子どもの医療保障にも備えたい方は検討してみるといいでしょう。
ここに注目5:郵便局で契約手続きできる
かんぽ生命ならではの強みが、全国の郵便局で保険手続きや相談ができることでしょう。
買い物帰りなどに、気軽に保険相談行えるのは意外と大きな魅力です。
郵便局は全国どこにでもあるため、この利便性の高さは助かります。
また、医師の診査が不要で職業制限もないため、加入手続きがシンプルです。
ここがイマイチ1:確実に元本割れを起こす
主契約のプラン自体は、かんぽ生命とソニー生命の学資保険はよく似ています。
しかし、大きく異なる点が返戻率です。
すでに見てきたよう、ソニー生命の返戻率は107~108%と非常に高いものでした。
一方、かんぽ生命の学資保険はほぼ確実に元本割れを起こすのです。
男性30歳、子ども0歳で、受取総額200万円の21歳満期のプランに、保険料支払い期間18歳で加入したとしましょう。
すると、毎月の保険料は9,700円で、払い込み総額は2,095,200円となります。
返戻率は約95.5%と元本割れを起こす結果に。
数字だけ見ると、約9万5千円多く支払っているのです。
特約を付帯しているならまだしも、一切つけていない状態で、元本割れを起こすのは残念でしかありません。
以前は返戻率100%を超える商品でしたが、今は返戻率には一切期待できないでしょう。
そのため、貯蓄性を重視する方は他の商品に目を向けるべきです。
ここがイマイチ2:不祥事が大きな痛手
2019年以前までは、かんぽ生命学資保険のデメリットは弱い貯蓄性のみでした。
しかし、2019年になって大きすぎるデメリットが発覚したのです。
それが不適切な契約が多数発覚したこと。
ノルマ達成のために高齢者にいらない契約を結ばせたり、二重に保険料を支払わせたりするなどの、事例が大量に発覚しました。
なんとその件数は10万件を超えるそうです。
このかんぽ生命の不祥事は社会に大きなインパクトを与えました。
これまでかんぽ生命は、安心感を最大の武器にして、保険営業を行ってきました。
しかし、この不祥事で安心感の代わりに、不信感が募ってしまったのです。
業務方針を改善することは間違いないでしょうが、この不祥事は大きすぎるデメリットになってしまいました。
ソニー生命とかんぽ生命の学資保険を徹底比較
ここまでの簡単なまとめとして、ソニー生命とかんぽ生命の学資保険を比較してみましょう。
返戻率やプラン、そして保障内容などを見ていきます。
返戻率と保険料で比較
以下の条件で返戻率と保険料のシミュレーションをしてみます。
【契約内容】
・男性30歳
・子ども0歳
・受取総額:300万円
・保険料払い込み期間:18歳
・保険料払い込み方法:月払い
【かんぽ生命】
・18歳満期:14,640円(94.9%)
・18歳満期+小・中・高の祝い金:19,110円(72.7%)
・21歳満期:14,550円(95.5%)
【ソニー生命】
・Ⅰ型:23,850円(104.8%)
・Ⅱ型:13,620円(101.9%)
・Ⅲ型:13,374円(103.8%)
※Ⅰ型のみ保険料払い込み期間10歳まで
こうやってほぼ似たような条件で比較すると、返戻率の差は大きいですね。
毎月の保険料の違いは約1,200円ですが、年間にすると14,400円、18年間で259,200円も変わるのです。
とにかく貯蓄性を重視したいという方は、ソニー生命学資保険を選ぶようにしましょう。
プランや保障内容で比較
ソニー生命とはじめのかんぽ学資保険のプラン内容はよく似ていますよね。
かんぽ生命の方が、契約可能年齢が幅広く、特約も用意している点が大きく異なります。
ただ、ソニー生命学資保険に保障内容が全くないということはありません。
ソニー生命とかんぽ生命共に、主契約に保険料払い込み免除が付帯されています。
これは、契約者が死亡したり、所定の高度障害状態になったりしたら、その後の保険料の支払いが免除される保障です。
契約者である親に万が一が起きても、子どもは保険料の負担なしで、予定通り学資金を受け取れます。
保険料払い込み免除が、学資保険を「保険」としているゆえんです。
また、ソニー生命学資保険Ⅲ型とはじめのかんぽ21歳満期プランの、学資金受取額も確認しておきましょう。
・ソニー生命Ⅲ型:受取総額の20%を計5回
・はじめのかんぽ21歳満期:受取総額の25%を計4回
受取回数が1回異なるだけで、受取金額に大きな差を出します。
言うまでもなく、学資保険は大学入学年度の費用に備えるためのものです。
進路にもよりますが、入学年度は80~100万円以上かかる可能性があります。
例えば、受取総額300万円で加入すると、ソニー生命学資保険では入学年度に60万円受け取れます。
一方、はじめのかんぽでは入学年度に75万円受け取れるのです。
この15万円の差はとても大きく感じるでしょう。
学資保険選びの際は、大学入学年度に受け取れる費用に注目することも大切です。
保険料払い込み期間や回数などで比較
ソニー生命とかんぽ生命ともに、保険料払い込み期間や回数などの選択肢は豊富です。
選べる払い込み期間はプランによって変わります。
ソニー生命は最短で10歳払い、最長で22歳払いが可能。
かんぽ生命の場合は最短で12歳払い、最長で18歳払いのようです。
ただ、かんぽ生命を選ぶのなら、短期払いにこだわる必要はないと思います。
保険料を短期払いにする魅力は次の2つです。
・教育費が本格化する高校大学時代に余裕を持って備える
・返戻率を高める
15歳までに余裕を持って支払いを終えたい方は別ですが、かんぽ生命では返戻率を高めるために短期払いする必要はありません。
その理由は、短期払いにしたところで元本割れするからです。
はじめのかんぽの魅力は、安全に、そして確実に教育資金を貯められること。
短期払いにすると、毎月の保険料負担が高くなってしまい、家計を負担するかもしれません。
迷うことなく長期払いを選択できるのは、ある意味で大きなメリットです。
一方、ソニー生命のような返戻率の高い学資保険は、短期払いにしてどんどん返戻率を上げたいところ。
ソニー生命学資保険なら、理想は10歳払い、遅くとも15歳までに保険料の支払いを終えておきたいところですね。
また、保険料は月払いよりも半年払い、半年払いよりも年払いの方が高くなることは知っておきましょう。
ソニー生命学資保険がおすすめの人
まずはソニー生命学資保険がおすすめの人を紹介します。
ソニー生命学資保険は、貯蓄型学資保険をチェックしている人におすすめ。
特にはじめのかんぽ学資保険を検討しているのなら、ソニー生命学資保険は要検討でしょう。
というのも、貯蓄性だけで考えれば、ソニー生命学資保険の方が断然良いからです。
貯蓄型学資保険を選ぶうえで、重要なのは返戻率。
似たようなプランの商品で迷っているなら、決め手となるのは返戻率の高さです。
特約保障などを抜きにして見ると、ソニー生命学資保険はかんぽ生命の上位互換商品。
ソニー生命のどのプランも、類似商品と比較した時、返戻率は勝っていることが多いです。
そのため、貯蓄型の学資保険をチェックしている方は、一度は真剣にソニー生命学資保険を検討してみてください。
返戻率以外のチェックポイントで言えば、Ⅲ型の学資金受取額でしょう。
大学入学年度の学資金だけが気になるところです。
受取総額200万円だと40万円しか受け取れないので、収入や他の預貯金で大部分をカバーする必要があります。
一方、受取総額300万円以上にすれば60万円と大きな額をもらえますが、その分保険料は高くなってしまいます。
つまり、返戻率が魅力的なⅢ型を選ぶのなら、
・受取総額を多くして、保険料負担を増やす
・他にも教育資金の貯蓄を行う
上のいずれかを行う必要があるのです。
返戻率の高さにだけ注目して選んだものの、肝心の入学年度に金額不足してしまっては元も子もありません。
Ⅲ型に興味のある方は、ライフプランナーと相談をして、実際の学資金額と保険料を見てみましょう。
公式サイトでは簡単なシミュレーションもできるので、それもおすすめです。
かんぽ生命の学資保険がおすすめの人
初めに言っておくと、かんぽ生命学資保険は貯蓄型でありながらも、貯蓄性を重視する方にはおすすめしません。
その理由は、ほぼ確実に元本割れを起こすからです。
簡単に言えば、損する学資保険なので貯蓄性を求める方は、ソニー生命や明治安田生命などをチェックしましょう。
では、どのような方にかんぽ生命学資保険はおすすめなのでしょうか?
ずばり、安心感や利便性を重視する方です。
不祥事こそありましたが、未だにかんぽ生命と言えば安心感のイメージがあります。
見方を変えれば、不祥事があったからこそ、これから信頼回復のため健全性を高めるでしょう。
その他にも、以下のいずれかに該当する方におすすめです。
・子どもが小学校入学している
・学資保険の乗り換えをしたい
・子どもの医療保障にも備えたい
かんぽ生命の学資保険は、貯蓄型として見ると微妙ですが、保障型として見るとなかなか優秀です。
貯蓄性は気にしないで、子どもの医療保障に備えながら、安心に教育資金積み立てたい方にはぴったりでしょう。
学資保険では返戻率を重視して選ぶべきなのか?
現在人気の学資保険のほとんどが貯蓄型です。
雑誌やネットの学資保険ランキングを見ると、上位の商品ほど返戻率が高いことが分かるでしょう。
しかし、返戻率だけを重視して選ぶべきなのかと言えば、そうでもありません。
もちろん、総支払額よりも多くの受取金額を得た方がいいに決まっています。
ただ、返戻率ばかり気にして、学資保険本来の目的を見失ってはいけません。
学資保険の本来の目的とは、子どもに必要な教育資金を貯めることです。
ずっと先のことなので、正確な金額は分からないと思いますが、大まかな目安で良いので大学入学までに貯める大まかな金額を決めましょう。
あくまでも学資保険は、目標金額を貯めるサポート役にしかすぎません。
例えば、大学入学の年に100万円貯めることを目標にしたとしましょう。
しかし、返戻率を重視するあまり、ソニー生命Ⅱ型ではなくⅢ型を選んでしまってはだめです。
本来の目的を見失わずに、学資保険選びができるといいですね。
ソニー生命もしくはかんぽ生命の学資保険に加入したら節税できる!
学資保険は生命保険料控除の対象となります。
これは、ソニー生命とかんぽ生命の学資保険も例外ではありません。
生命保険料控除とは所得控除の一種で、年間払込保険料に応じて、一定金額が所得から差し引かれます。
旧制度と新制度がありますが、多くの方はこれから学資保険加入を考えているはずなので、新制度で話を進めていきましょう。
生命保険料控除の中でも、学資保険は死亡保険などと同じく「一般生命保険料」に分類されます。
控除額は年間払い込み保険料額によって変わりますが、8万円越えで所得税は4万円、5万6千円越えで住民税は2万8千円控除されるのです。
生命保険料控除の手続き方法は簡単なのも嬉しい点。
会社員の方は、生命保険会社から送られる「生命保険料控除証明書」を、記載済みの給与所得者の保険料控除申告書に添付して、年末調整の時期に会社に提出するだけです。
自営業の方は、確定申告の際に生命保険料控除証明書を添付して提出することで完了します。
簡単な手続きに関わらず、大きな節税効果を受けられるので、毎年忘れずに行いましょう。
まとめ
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ソニー生命とかんぽ生命の学資保険について見てきましたが、まずはソニー生命学資保険を検討してみるのがおすすめです。
プランや選択肢が豊富なので、あなたの希望通りの学資保険を作れるでしょう。
さらに、貯蓄性がトップクラスに高いのも嬉しいポイントですね。
もちろん、かんぽ生命の学資保険も悪くはありません。
大事なのは何を重要視するのか。
保障性や安心感を重要視する方にとっては、かんぽ生命の学資保険は良い選択肢となるでしょう。
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